産婦人科医 明樂重夫 公式サイト 明理会 東京大和病院

2026年2月6日(金)『骨盤臓器脱』をテーマに、院内勉強会を開催

お知らせ

今月26日(金)、『骨盤臓器脱』をテーマとした院内勉強会を開催しました。
対象は看護師を始めとした病院のすべての職種のスタッフで、婦人科の主要な診療分野の一つである骨盤臓器脱について、基礎的な病態や発症の背景、症状の特徴、治療の考え方を中心に講義を行いました。

多様なメッシュ手術の変遷

骨盤臓器脱は、女性の生活の質に大きく影響する疾患であり、早期に正しく理解し、適切な治療につなげることが重要です。

一方で、「恥ずかしさ」などから受診をためらう方も多くいます。海外の調査では、約11.1%の女性が生涯で骨盤臓器脱または尿失禁に対する手術を受けると報告されており、決して珍しい疾患ではないことが示されています。

私が日本医科大学に在籍していた頃、骨盤臓器脱に対して内視鏡を用いた腹腔鏡下仙骨腟固定術を日本で初めて実施しました。その後、この術式を先進医療から保険適用へとつなげることができました。また、保存療法として自己管理用のペッサリー(キタザトA型リングペッサリー)を開発するなど、骨盤臓器脱治療はこれまで特に力を注いできた領域の一つです。

当院では、診療に加え、リハビリテーション科と連携した骨盤底筋体操の指導にも取り組んでいます。

医師による診断・治療と、リハビリによる継続的なサポートを組み合わせることで、症状の予防や改善を目指す体制を整えています。この分野は近年注目が高まっており、当院では骨盤底筋リハ、ペッサリー療法、手術療法それぞれの最先端治療法を、患者の年齢や症状、希望に応じてオーダーメイド的に選択できることが特長となっています。

講義後の質疑応答では、病棟の新人看護師から日頃どのように患者さんへ声をかけているか、患者さんとの関わり方について質問がありました。

私が最も大切にしているのは、患者さんとの信頼関係です。

手術については、メリットだけでなくデメリットも含めて丁寧に説明し、可能な限り数字や具体例を用いて伝えることで、不安を軽減し、納得したうえで選択していただけるよう心がけています。また一方で、病院スタッフ全員がそれぞれの職種の立場に応じて患者さんに寄り添い支えることが、最も大切であると考えています。

このように、医療は一人で完結するものではありません。医師、看護師、リハビリスタッフなど、多職種が連携し、チームとして患者さんを支えることが重要だと考えています。
今回の勉強会は、骨盤臓器脱に関する知識を深めると同時に、他職種間の連携を改めて確認する機会にもなりました。

今後もこうした共有の場を設け、院内全体で理解を深めながら、より良い診療につなげていきたいと考えています。

 

お知らせ一覧