産婦人科医 明樂重夫 公式サイト 明理会 東京大和病院

女性の一生をケアする婦人科医

骨盤臓器脱の検査

骨盤臓器脱の診断

骨盤臓器脱は、臓器の脱出が明らかな場合は容易に診断がつきますが、症状によっては何度も診察しないと診断できないこともあります。診察ではまず問診にて分娩歴や手術歴、排尿や排便の症状などを詳しくうかがい、その後、内診や直腸診を行います。これは腹圧をかけないと骨盤臓器脱が分からない場合があるためです。さらに経腟超音波検査では子宮や卵巣、膀胱などを観察します。

診断の補助検査

排尿に関する症状がある場合は、膀胱に残っている尿の量の測定する残尿測定や、腹圧がかかった時の膀胱・尿道の動きを調べるQ-tipテスト(排尿・蓄尿機能を調べる検査)が行われます。必要に応じて鎖膀胱造影やMRI検査も行うことがあります。骨盤臓器脱の治療を進めていく上で、どの部分がダメージを受けているのかを正確に診断する事が重要となります。

骨盤臓器脱のステージング

骨盤臓器脱はおおまかにstage1~4の4段階で評価されます。POP-Q法と呼ばれる診断方法で、処女膜の位置を0として9つの地点を測り、どの臓器がどれくらい下がっているかを定量的に評価します。

その他の評価因子

その他では、排尿障害や排便障害、性交障害といった生活に関わる障害の程度も考慮して評価します。また高齢者に多く見られる疾患であるため、心臓病や高血圧症・糖尿病などの合併症の有無も骨盤臓器脱の治療法を選択していく上で必要となります。