女性の一生をケアする婦人科医
子宮内膜症の診断は、まず詳細な問診から始まります。初経の時期、月経周期、最終月経、月経の量などについての情報を基に、症状が出始めた時期や現在の自覚症状などを質問します。特に排便痛や性交痛の有無や程度、月経周期との関連性などが重要となります。また、子宮内膜症患者の約半数が不妊症を合併していることから、不妊の有無も重要な問診事項となります。
次に、内診を行い、子宮や卵巣の位置、大きさ、可動性を調べます。また、子宮と腸の間にあるダグラス窩の硬結や圧痛の有無から、癒着や病巣の広がりを確認します。
必要に応じて、経腟超音波検査(エコー)、MRIによる画像診断、腫瘍マーカーの血液検査などを行います。これらの方法で子宮内膜症を確定診断できるのは約75%とされており、より小さな病巣を診断するには、腹腔鏡による腹腔内の詳細な観察が必要となります。
腹腔鏡検査は全身麻酔下で行われ、入院が必要になります。そのため、自覚症状が軽く、不妊症がない場合には、腹腔鏡検査は行わず、問診、内診、画像診断を組み合わせて診断を行います。逆に、1年以上の不妊症がある方や、日常生活に支障をきたすほどの自覚症状がある場合は、腹腔鏡検査が有用です。その際は医師と相談し、適切な検査を受けることが重要です。