産婦人科医 明樂重夫 公式サイト 明理会 東京大和病院

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チョコレートのう胞

子宮内膜症は、子宮内膜が子宮外の卵巣や腹膜、腸などに発生し、症状や障害を引き起こす疾患です。その中でも「チョコレートのう胞」は、子宮内膜が卵巣に発生することで起きる特異な状態です。

チョコレートのう胞の成因

チョコレートのう胞は、子宮内膜が卵巣に発生し、その組織が出血して排出されずに蓄積されることで形成されます。これがチョコレート状の古い血液に見えることから「チョコレートのう胞」と呼ばれています。その成因については複数の仮説がありますが、子宮内膜症そのものの原因はまだ完全に解明されていません。

症状と進行

チョコレートのう胞の主な症状は強い月経痛です。のう胞が進行すると子宮や腸と癒着し、下腹部痛や腰痛、性交痛、排便痛などが見られます。のう胞が破裂すると激しい痛みが生じ、時には緊急手術が必要となることもあります。

診断方法

チョコレートのう胞の診断は、問診による症状の確認、内診による子宮や卵巣の様子の確認、超音波検査による病変や腫大の確認などを行います。腫大している場合は、悪性腫瘍の可能性を除外するためMRIやCT、腫瘍マーカーによる検査が必要となります。