産婦人科医 明樂重夫 公式サイト 明理会 東京大和病院

2024年8月28日(水)~9月1日(日) APAGE(アジアパシフィック婦人科内視鏡学会)inインド・チェンナイ

学会・研修

828日から91日まで、APAGE(アジアパシフィック婦人科内視鏡学会)2024に出席するためにインド、チェンナイに行ってきました。

インドに行くのは初めてでしたが、人口が14億を越え世界一となり、2025年にはGDPが日本を抜いて世界4位となるなど発展が著しい国家なので、とても興味がありました。

APAGEは私が2021年に会長として主催した学会で、今回はpast presidentとして招待されました。インドは内視鏡手術のレベルも高く、学会でもライブ手術も多く組まれており興味深い内容でした。また、理事会で2028年京都開催が満場一致で承認されたのも良いニュースでした。

 

チェンナイは以前マドラスと呼ばれ、イギリスの東インド会社が置かれていた南西インド最大の都市です。

インド洋に面しているため気候は温暖で、日本の方が暑いという印象でした。近年はIT産業が盛んで、大きく変貌してきたとの触れ込みでしたが、空港に着いた直後から街には人に溢れ、埃っぽく混沌としていました。車線はあるものの皆それを無視しながら車、オートバイ、オートリキシャと呼ばれる三輪タクシーなどが警笛を鳴らしながら我先に走っていく様子は日本では全くお目にかかれないもので、レンタカーを借りて自分で運転してみようなどという気は全くおきない所でした。町中にあるヒンズー教のカーパーレーシュワラル寺院は、シヴァを崇拝する場所でカラフルな装飾を施され、信者で溢れていました。参拝するには靴を脱がなくてはならず、お香が焚かれる中で、額に白い線を塗られ教祖様に手を合わせて拝むなど、普段ではなかなかできない体験をしてきました。世界遺産にもなっている古いヒンズー教の寺院であるマハーバリプラムやヒンズー教の聖地であるカンチープラムにも足を運びましたが、見所が多く大きな岩で造った遺跡群がとても印象的でした。

 

食事はカレー、カレー、カレーの連続でしたが、日本のものとは異なって実にバラエティに富んでおり、とても美味しいものもありました。とは言っても他に選択肢がなく、最後にはさすがに少し日本が恋しくなりました。現地の人は、たとえ懇親会のようなフォーマルな場所でも右手を使ってカレーを混ぜ口にしていたのには驚かされました。(私はさすがにスプーンを貰いましたが・・・)。

 

街に出ると、街道沿いには延々と屋台のような店が並び、牛が行き来するなど古来の風習そのままの人々の暮らし振りでした。一方、ホテルはゴージャスかつ近代的で、外の世界とは全く隔絶した空間でした。そんな時、ふと遠くをみたら高層アパートが林立している地域があり、訊いてみるとIT関係の企業が集まっている場所との事で、全くの別世界がそこにはありました。考えてみたら田舎の寺院の中でもWi-Fiが問題なく使用できるなど、インドのIT 環境は日本よりも進んでいると感じれられ、街並みや人々の暮らし振りとのあまりのギャップに実感が沸きませんでした。

 

このように、インド社会は上から下まで、古い因習から最新のITまで幅が広く、日本では想像できない、自分の価値観とは全く異なった世界でとても刺激的でした。

チェンナイは南部インドなので、インダス文明や中華文明との交流が歴史上多かった北部インドをまた訪れ、世界観をさらに拡げてみたいと思いつつ帰国の徒につきました。

今回はたくさん写真を撮りましたので、私のインスタグラムにも掲載しています。

 

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