学会・研修
5月31日から6月1日まで、台湾で行われたAPAGE-TAMIG(アジアパシフィック婦人科内視鏡学会、台湾婦人科内視鏡学会)主催のワークショップに招聘され、教育講演を行ってきました。
講演内容は、卵巣組織温存を最大限配慮した卵巣チョコレート嚢胞に対する腹腔鏡手術の手技についてです。体外受精・胚移植法が全盛の不妊治療において、卵巣チョコレート嚢胞に対する囊胞摘出術は卵巣予備能低下をひきおこすということで、近年その施行には慎重な意見が多くなりましたが、解剖と理論に基づいた精緻な手術を行えば、手術のメリットが多いということを、エビデンスを提示しながらレクチャーしてきました。
台湾は歴史的にも極めて日本と関係が深く、とても親日的な国です。文化や風土、食事が肌に合い、私も1996年以来、学会や家族旅行でこれまで7回ほど訪台してきました。今回もレクチャーの合間に台中の日月潭と玄光寺を訪れたり、台北のマンゴーかき氷や足裏マッサージを受けたりと堪能してきました。
いつも台湾に行って感嘆するのは、彼等の国際性と集中力です。考え方が非常にインターナショナルで英語も上手く、メリットがあると思われたことに対する集中投資が半端ありません。今回のワークショップ会場も内視鏡 / ロボット手術の最先端のトレーニング機器や豚を用いた広いアニマルラボ、多機能なレクチャー施設を備えていました。そしてその場所に蔡英文前総統や先日の総統選で勝利した頼清徳総統が訪問するなど、まさに国家をあげて支援していました。我が国の医療レベルは世界最高峰と自認していますが、ワークショップに台湾各地から集った若い医師達の真剣な眼差しをみるにつけ、日本も頑張っていかないといけないと改めて思いながら帰国の途につきました。