子宮内膜症の治療
低用量ピルは経口避妊薬の一種で、実際の排卵を抑制し、妊娠時に近いホルモン状態を維持することで、月経時に剥がれ落ちる子宮内膜の増殖を抑制します。これにより、月経痛を軽減することができます。低用量ピルは2008年から保険適用となり、近年では更にホルモン成分が低減された超低用量ピルも利用可能となりました。
低用量ピルは、卵巣がんや直腸がんのリスクを下げることが知られています。そのため、単に経口避妊薬としてだけでなく、月経困難症の治療薬として利用する女性も増えています。また、骨密度への影響が少ないので、GnRH漸減療法と比較しても長期間の投与が可能です。
低用量ピルの副作用としては、軽い吐き気、頭痛、不正出血などが報告されています。しかし、これらの症状は服用を続けることで徐々に減少します。「太る」という情報も一部に存在しますが、医学的にはその根拠はありません。また、重篤な副作用として血栓症がありますが、これは極めて稀なケースです。健康な生殖年齢の女性であれば、多くの方が安全に服用できます。
さらに、月経前に起こる気分の悪さ、むくみ、体調不良などの月経前症候群(PMS)の症状も、低用量ピルで緩和できることが知られています。このような症状がある方、あるいはスポーツ選手など月経周期をコントロールしたい方にも低用量ピルは推奨されます。
40歳以上の方、高血圧や心臓病などの持病がある方、喫煙者は血栓症を引き起こすリスクが高まるため、低用量ピルの服用には注意が必要です。低用量ピルの服用は、医師との相談の上で開始することを強く推奨します。