子宮内膜症の治療
ロボット手術は、従来の腹腔鏡手術を、ロボットを使用して支援する革新的な手術方法です。これは、腹腔鏡手術がさらに進化した形で、手術による傷跡も腹腔鏡手術とほぼ同じ大きさとなります。
手術の流れとしては、まず3Dカメラで腹腔内を観察します。その後、術者が遠隔操作で動かす7関節稼働の3本の細長いロボットアームを使用して手術を行います。術者は、患者から離れた「コンソール」と呼ばれる場所で、座った姿勢で手術を進行します。
ロボット手術の最大のメリットは、手の振動を防止し、術者の微細な手の動きを正確に再現できることです。さらに、人間の手首のように可動するロボットアームにより、より細かく緻密な操作が可能となり、従来の手術方法では到達困難だった部位でも、効率的に切除することが可能となります。
一方、ロボット手術にはいくつかのデメリットも存在します。術者は手術器具を直接触ることがないため、器具の先端部分で触れるような触覚は得られません。これを補うために、術者は多くの経験を積み重ね、触覚の欠如を視覚によって補うことが求められます。さらに、ロボットアームの操作による出血など、手術中のトラブルに対応するためには、高度な技術と豊富な経験が必要となります。近年、ロボット手術が可能な医療機関は増えていますが、経験の浅い術者のみで手術を行うことは困難です。そのため、ロボット手術を検討する際には、医師選びも慎重に行う必要があります。