前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)

経尿道的前立腺吊り上げ術（Urolift/ウロリフト）は、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善するための低侵襲手術の一つです。

この治療法では、前立腺の中に小型のインプラントを埋め込み、肥大した前立腺を物理的に持ち上げることで尿道を広げ、排尿をスムーズにすることを目指します。Uroliftは、前立腺組織の切除や熱処理を伴わず、体への負担が少ないのが特徴です。

 

ウロリフトの流れ

通常は全身麻酔または局所麻酔の下で行います。処置の時間はおよそ30分程度です。

 

• 専用デバイスを尿道から挿入し、前立腺の閉塞を引き起こしている部位を確認します。
• インプラントを尿道に挿入し、左右の前立腺葉を圧迫し持ち上げます。
• インプラントを用いて尿道を再拡張し、排尿しやすい状態にします。

入院期間

 

ウロリフトの適応について

従来の手術療法（TURP、HoLEPなど）が困難な患者さんが対象となります。

• 全身状態不良のため合併症リスクが高い症例 
• 抗血栓薬の内服または血液凝固異常症により術中出血のリスクが高い症例 
• 高齢もしくは認知機能障害のため術後せん妄、身体機能低下のリスクが高い症例　　　　　　　　　

※保険適応については、診察をしてからの判断になります。まずは診察にお越しください。

治療による合併症

• 尿失禁
• 尿路感染症
• 排尿痛
• 血尿
• 排尿困難（尿閉）

これらの合併症は一般的には軽度から中程度で、通常2〜4週間以内に改善することが多いです。また、長期的に見るとインプラントに結石が付着する可能性もあるため、定期的な診察を推奨しています。

 

治療に関してのご相談は当院泌尿器科外来をご受診ください。

明理会東京大和病院　前立腺肥大症部門